生理不順(月経不順)
生理不順は、期間や周期に乱れがある状態です。ほとんどの場合、ホルモンバランスの乱れによって起こっていますが、婦人科疾患が隠れている場合もあります。また、ホルモンバランスの乱れを放置していると不妊や妊娠しにくくなる可能性があります。また、骨粗鬆症の発症や脂質異常症(高脂血症)をはじめとした生活習慣病発症のリスクも高くなります。脂質異常症は症状なく動脈硬化を進行させて脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくするため注意が必要です。
当院では、生理不順のタイプやライフスタイルにきめ細かく合わせた治療を行っており、安定した生理を取り戻して快適に暮らしていただけるよう、日常生活に関するアドバイスもさしあげています。生理不順でお悩みの方、早く治したい方、生理に関して心配や不安がある方は、お気軽にご相談ください。
こんなお悩みはありませんか?
- 生理不順の症状
- 生理が1週間以上続くなど、生理期間が長い
- 1~2日で終わってしまうなど、生理期間が短い
- 経血量が多い
- 経血量が少ない
- 生理が1ヶ月に2回あるなど、周期が短い
- 数ヶ月から半年に1度くらいしか生理がないなど、周期が長い
- 生理周期が一定しない
- ホルモンバランスが乱れて起こる症状
- 肩こり、腰痛、頭痛、肌荒れ、ほてり など
生理不順の原因
生理は卵巣ホルモンや黄体ホルモンなどによってコントロールされているため、こうした女性ホルモンのバランスが乱れると生理不順が起こります。女性ホルモンの分泌には脳の視床下部・脳下垂体、そして卵巣が関わっており、バランスが崩れるということはこの3器官のどこかで異常が起きている可能性があります。こうした器官はとてもデリケートですから、ストレスによって異常を起こすこともよくあります。睡眠不足や過労、引っ越しや転職・入学などの環境変化、人間関係のお悩みといった心身のストレスによってホルモンバランスが乱れることはよくあります。また、ダイエット、激しい運動によってホルモンのバランスが大きく崩れてしまうこともあります。
生理不順(月経不順)のタイプ
生理不順は以下の4タイプに分けることができます。
- 頻発月経月に2回以上の月経のような出血がある状態
- 稀発月経月経周期が39日以上ある状態
- 過多月経月経が8日以上続く・量が多いなどの状態
- 過少月経月経が3日以内で終わるなどの状態
頻発月経
頻発月経とは、次の生理がすぐ来てしまい、1ヶ月に2~3回など複数回の生理がある状態です。ホルモン治療によって、こうした状態を改善させて正常な周期に整えていきます。また、基礎体温を測って排卵があるかどうかを確かめる必要があります。
稀発月経
次の生理まで39日以上ある状態ですが、基礎体温を測って排卵による体温の変化が認められればあまり心配する必要がない場合あります。排卵がない場合は無月経や不妊につながりやすいため、ホルモン治療で正常な状態に整えます。
過多月経
生理が8日間以上続く、経血量が多い、凝血という血のかたまりが経血に混じっている状態です。生理の出血量が多いため、貧血になることもよくあります。過多月経はホルモンバランスの乱れだけでなく、婦人科疾患によって起こっていることもよくあります。罹患率の高い子宮筋腫をはじめ、子宮腺筋症、子宮内膜炎、子宮がん、ポリープなどによって過多月経を起こしている可能性がありますので、まずは受診しましょう。
過少月経
3日以内で生理が終わる、経血量が少ないなどがあります。「軽くて楽」と誤解されている方も多いのですが、将来的に無月経になってしまうリスクがあるため、早急なホルモン治療が必要です。不妊や妊娠しにくさ、生活習慣病リスク上昇などにつながる可能性もありますので、気になる他の症状がない場合もできるだけ早く受診してください。
基礎体温をつけましょう
基礎体温は、起床時など安静を保てる決まった時間に毎日体温を測って記録することです。ホルモンのバランスが変化する時期には体温が変化するため、排卵日の予測や、正常な排卵の有無を確かめることができます。基礎体温は妊娠を希望される方がつけるイメージがあると思いますが、妊娠しやすいタイミングを知るためだけでなく、身体の状態を確かめるためにも有効なのです。
生理不順で婦人科を受診される場合も、基礎体温が記録されていればそれを医師が分析することでより早く正確な診断につなげることができます。生理不順にはさまざまな原因がありますが、基礎体温の記録によって排卵の有無を確認し、ホルモンバランスの乱れが起きているタイミングを確認することである程度原因を絞ることができます。基礎体温が記録されていれば適切な治療を早くスタートすることができますから、お身体やお気持ちの負担もそれだけ少なくなります。
基礎体温は女性にとってご自分の身体からのサインを知る重要な手がかりですから、普段から基礎体温を測って記録するよう当院ではおすすめしています。